事例紹介

液化水素製造プラントのコールドボックス断熱排気用高真空排気装置のご紹介

 

液化水素製造プラントでは、極低温環境下で使用される熱交換器や配管等は極低温に保つ為にコールドボックス内に設置されます。今回は、このコールドボックスを真空断熱するための真空排気用に、油拡散真空ポンプ DP14と油回転真空ポンプ P222 の組み合わせによる高真空排気装置を納入いたしました事例を紹介させていただきます。

 

[液化水素製造のコンセプト写真]

 

液化水素は、その比推力の高さからロケット燃料として、また高純度の水素を必要とする半導体製造等で現在は用いられています。世界がカーボンニュートラル(脱炭素化)へと舵を切る中、水素は使用時にCO₂を一切排出しないクリーンエネルギーとして、注目されるようになっています。燃料電池車や水素エンジン等の運輸用途、鉄鋼業界では石炭のかわり水素で製鉄を行うなどの産業用途や水素発電用途等において、脱炭素社会実現の切り札として更なる普及が期待されております。液化水素は圧縮水素に比較して最大約12倍の水素ガスを運ぶことが可能である為、その輸送、貯蔵において、大きな役割を担うとみなされています。

 

液化水素製造プラントの代表的な工程は以下のようなものです。

 

まず天然ガスを原料に水蒸気改質法で原料水素を製造します。それをPSA (Pressure Swing Adsorption) 法でCO₂, H₂O等の不純物を除去し、純度の高い水素ガスを生成します。クロード法と呼ばれる水素の液化プロセスでは、水素の一部は断熱膨張タービンを通過して極低温の冷媒となり、熱交換機で原料の高圧水素ガスを冷却します。また熱交換器中には触媒が充填されており、水素のオルソ―パラ変換も並行して進行します。熱交換器で冷却及びオルソ―パラ変換された水素は膨張弁で更に冷えて液化します。

 

このうち、液化プロセスは極低温下のプロセスとなります。液化のための熱交換器や配管は、それらを低温に保つためにコールドボックス内に設置されます。そしてそれらを外気から断熱するためにコールドボックス内は高真空に保たれています。

 

今回納入いたしました高真空排気装置はそのコールドボックスを排気するためのものです。今回はプラントの増設にあたって、既設品のこれまでの稼働実績を評価いただき、既設品と同仕様のものを追加納入させていただきました。

 

[高真空排気装置イメージ画像]

 

今回納入させていただいた高真空排気装置の主ポンプである油拡散真空ポンプは、運動量輸送式の真空ポンプの一種であり、油蒸気を気体中に噴出させ、その蒸気の運動エネルギーで気体を圧縮し、排気します。油蒸気のジェット流がポンプ内で適正に形成される分子流領域で効率的に動作するポンプで、10⁻⁷Pa程度まで作り出すことができます。機械的な作動部分がなく、構造が簡単であることから、口径の大きなポンプが製作可能で、また信頼性の高いポンプです。粗引きを行い、また油拡散真空ポンプ内を分子流状態に保つ補助ポンプである油回転ポンプP222は揺動ピストン形の油回転真空ポンプです。このタイプの真空ポンプは摺動部が良好な潤滑状態を得やすく、摩耗が少なく堅牢で故障が少ないため、24時間365日の稼働を求められるプラントでの用途に向いています。

 

 

液体水素製造プラントで稼働する為、安全面を考慮し電気品は防爆構造品を採用しております。一部、防爆構造が適用できない油拡散ポンプについては、N₂パージによる発火防止対策を施しております。この主ポンプと補助ポンプは接続配管や配管バルブなどと共に共通ベッド上に設置され、別設置の制御盤(非防爆)から一括操作されます。

 

[真空排気システム系統図]

 

産業分野によって必要とされる真空環境は様々です。お客様のニーズに合わせた最適な真空環境をつくるためには、様々な真空システム(排気ユニット・真空ポンプセット・真空装置)が必要となり、大阪真空はそれに応える幅広いラインアップの真空製品を提供しております。また、真空システムの設計、構成、製造において創業以来70年間に蓄積された技術力、経験と実績を有しており、高真空から低真空までの真空ポンプ、真空コンポーネントなどの単品販売だけでなく、それらを真空システムに組み込んだ状態で提案可能です。ぜひ当社までお問合せください。

 

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