近年、月・火星探査をはじめとする宇宙開発や衛星コンステレーションの実用化が進展し、宇宙機器の用途は急速に拡大しています。これに伴い、開発段階における信頼性確保の重要性がますます高まっています。
宇宙機および人工衛星搭載機器の性能を地上で検証するためには、宇宙空間の環境を高精度に再現する試験が不可欠です。特に、真空環境と極低温から高温までの温度条件を同時に再現する「熱真空試験」は、航空宇宙分野における重要な評価プロセスとして広く活用されています。
熱真空チャンバー(Thermal Vacuum Chamber:TVAC)は、チャンバー内部を高真空状態に維持するとともに、広範囲な温度制御を行うことで、宇宙環境を模擬する試験装置です。本チャンバーは、約1×10⁻⁶ Torr(約1.3×10⁻⁴ Pa)の高真空環境と、-180℃~+150℃の温度サイクルを再現可能であり、宇宙機器の信頼性評価に対応しています。
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| 熱真空チャンバーの概略図 |
このたび、アメリカの真空装置メーカである Dynavac 社の熱真空チャンバーに、当社のコントローラ・電源一体型磁気軸受形ターボ分子ポンプ TGkine1700M-B(排気速度:1,650 L/s)が採用されました。本ポンプは、当社アメリカ関連会社である Osaka Vacuum U.S.A., Inc. を通じて納入され、宇宙環境試験装置の真空排気システムとして使用されています。
| Dynavac社製熱真空チャンバー |
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| 当社ターボ分子ポンプTGkine1700M-Bが搭載されたDynavac社製熱真空チャンバー (提供:Dynavac社) |
TGkine®-Bシリーズ は、コントローラおよび電源をポンプ本体に内蔵した一体型構造を採用しており、装置の省スペース化とシステム構成の簡素化を実現しています。また、磁気軸受を採用することにより低振動でクリーンな真空環境を提供できるほか、任意方向での取り付けが可能です。これにより、装置レイアウトの自由度が高く、宇宙関連試験設備など高精度な試験用途にも適しています。
【当社の取り組み】
産業分野によって求められる真空環境はさまざまです。当社では、高真空から低真空まで幅広く対応する真空ポンプや真空コンポーネントをラインアップし、単体提供はもちろん、システム(排気ユニット・真空ポンプセット・真空装置)としての構築・提案にも対応しています。
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