事例紹介

金属部品コーティング用真空ポンプのご紹介

 

今回は、アメリカ・ニューヨーク州に拠点を持つ、Vergason Technology社のイオンプレーティング装置 CatArc® 3036に、当社ターボ分子ポンプが搭載された実績を紹介いたします。

 

私たちの身の回りにある金属製品や部品は素材そのままではほとんど長持ちさせることができません。そこで表面処理が必要になるのですが、塗装やメッキ、溶射、熱処理、真空成膜(蒸着)など様々な処理方法があります。この方法の中で硬さや耐摩耗性を向上させ、高真空が使用されるのが真空成膜(蒸着)になります。

 

真空成膜(蒸着)には大きく分けて、物理蒸着(PVD;Physical Vapor Deposition)と化学蒸着(CVD;Chemical Vapor Deposition)の2種類の方法があります。PVDは物理反応を利用した蒸着法で熱やプラズマにより固体原料を気化させ反応性ガスと反応させることで被膜を形成する手法です。固体原料を気化状態にする方法の違いにより、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法に分類されます。CVDは化学反応を利用した蒸着法で成膜した元素を含む原料ガスが何らかのエネルギーで分解し被膜を形成します。ガスの分解方法の違いにより、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法などに細分化されます。

 

大阪真空は、真空蒸着法・イオンプレーティング法・スパッタ法で使用されるターボ分子ポンプを国内外で多くの装置メーカにご採用いただいております。ご採用いただきました装置メーカの一つにアメリカで30年以上にわたって高性能 PVD ハードコーティングのサプライヤーとして評価されているVergason Technology社があります。

 

[Vergason Technology社製 イオンプレーティング装置 CatArc® 3036]

 

Vergason Technology社製のCatArc® 3036は、高品質で低コストのイオンプレーティング装置であり、人間工学に基づいたコンパクト設計でありながら、大量の処理能力を持ちます。当装置は、ソース電源やバイアス電源、計測機器、温度の監視や制御に関して、幅広いオプションに対応出来ます。当装置は、6つのヒーター、最大4基のマスフローコントローラ、アーク強化グロー放電(Arc Enhanced Glow Discharge;AEGD)エッチング機構を備えています。このAEGDエッチングは、高周波を用いる多様なエッチング機構と同等の能力を持ちながら、よりシンプルで堅牢であり、産業向け成膜用途に最適です。また、標準で4基のIGBTスイッチングアーク電源を備え、高い成膜速度や幅広い成膜材料に対応します。更にこの装置はコンパクトでキャスター付きなので、移動や設置が容易です。

 

このイオンプレーティング装置 CatArc® 3036は自動車、装飾、医療、機械および切削工具、スポーツ用品、および多くの特殊用途を含むコーティング用途に最適な装置で、当社の高流量仕様・軽量・倒立取り付けが可能であるTGkine3800M-Bが採用されました。

 

[イオンプレーティング装置概略図]

 

産業分野によって必要とされる真空環境は様々です。お客様のニーズに合わせた最適な真空環境をつくるためには、様々な真空システム(排気ユニット・真空ポンプセット・真空装置)が必要となり、大阪真空はそれに応える幅広いラインアップの真空製品を提供しております。また、真空システムの設計・構成・製造において創業以来、凡そ75年間に蓄積された技術力、経験と実績を有しており、高真空から低真空までの真空ポンプ、真空コンポーネントなどの単品販売だけでなく、それらを真空システムに組み込んだ状態で提案可能です。ぜひ当社までお問合せください。

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(株)大阪真空機器製作所

Osaka Vacuum U.S.A., Inc.

Vergason Technology Inc.

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