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ファインケミカルプラント向け真空排気システムのご紹介
今回紹介するのは、低分子医薬品の原薬及び中間体の製造プラントで真空排気に用いられた、蒸気エジェクタと水封式真空ポンプを組み合わせた真空排気システムです。
多種多様な医薬品がありますが、そのうち分子量が500以下程度の化合物からなるものを低分子医薬品と呼び、化学合成によってファインケミカルプラントで製造されます。製薬会社は、低分子医薬品の原薬及び中間体の製造を、製造受託企業に依頼することも多く、受託企業は自社が持つ、医薬品の製造管理、品質管理基準に適合したファインケミカルプラントで、低分子医薬品の原薬や中間体を製造します。今回の真空排気システムは、原薬及び中間体の製造受託を行う化学メーカーのプラントに納入されました。
真空排気システムの主ポンプは蒸気エジェクタです。
蒸気エジェクタは、高圧蒸気の運動量で気体を排気する真空ポンプです。
大排気量を実現することが可能で、機械的な可動部分がなく構造も簡単であるためメンテナンスフリーでの連続運転が可能、また水蒸気や溶剤蒸気などの凝縮性気体の排気にも適しているため、ファインケミカルプラントでの使用に適したポンプです。
今回納入した蒸気エジェクタは、吸入圧力5.3 kPa下で窒素17.3 kg/hをダイナミックに排気することを実現しております。その後段には中間コンデンサがあり、駆動蒸気を凝縮させることで、後続ポンプの負担を軽減できます。
補助ポンプには駆動蒸気量を削減するために、蒸気エジェクタではなく水封式真空ポンプを採用しています。
水封式真空ポンプは、回転する羽根車でケース内面に封液として水を循環させ、その水がシールをしながら気体を移送するタイプの真空ポンプです。水を封液として利用しているため、水蒸気や薬品類の蒸気を含む気体の排気に向いており、これもファインケミカルプラントでの使用に適したポンプです。
[真空排気システムイメージ画像]
薬品を含む気体を排気する場合には、薬品が混入した封液の廃液処理が問題となります。そのため、今回の排気装置では、封液の供給を閉サイクル循環給水システムとしています。排気口には気液分離器が設置され、封液を分離、回収します。水封式真空ポンプでは封液の蒸気圧がポンプの性能に大きく影響するため、水冷式の封液クーラーで封液を冷却したのち、ポンプに戻します。このように封液を循環させることで、廃液処理量を最小限としています。
また、今回のポンプは、封液の漏れ対策として軸シールにはメカニカルシールを採用し、排気する気体が薬品を含むため、パッキン素材はPTFEとしています。
ポンプを駆動するモーターは、ケミカルプラント内での運転のため、安全増防爆型を採用しています。
[真空排気システム系統図]
産業分野によって必要とされる真空環境は様々です。お客様のニーズに合わせた最適な真空環境をつくるためには、様々な真空システム(排気ユニット・真空ポンプセット・真空装置)が必要になり、そのご要求に応えられる幅広いラインアップの真空製品を大阪真空は提供しております。高真空から低真空までの真空ポンプ、真空コンポーネントなどの単品販売だけでなく真空システムに組み込んだ状態で提案可能ですので、ぜひ当社までにお問合せください。
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