事例紹介

自動車部品リークテスト用高真空排気ユニットのご紹介

 

今回は、自動車部品の製造において部品のリークテストに用いられている、ターボ分子ポンプを主ポンプとした高真空排気ユニットを紹介させて頂きます。

 

国の政策の一環として掲げられている「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」ことにより、現在100年に1度の変革期が訪れていると言われている自動車業界では、ハイブリッド車(HV)をはじめ、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)の開発に軸足を移しています。しかしながら、人が安心して安全に運転できる自動車に使用される部品は、昔から変わらず高い信頼性が求められています。

 

 

自動車部品の製造においては、その部品からの漏れがないことを確認するためにリークテストを行うことが必要な部品も多くあります。必要とされるリーク量のレベルなどに応じて、様々な漏れ検査の方法が用いられますが、リークテストに最も精度が求められる場合には、ヘリウムをトレーサガスとして使った真空チャンバー法が多く使われます。

 

真空チャンバー法では、真空チャンバー内に漏れ検査の対象であるワークを入れ、そのワーク内をトレーサガスで加圧します。そのときに真空チャンバー内に漏れたトレーサガスを、ヘリウムリークディテクターが測定することで、漏れ量が基準値以下であることを確認します。

 

ヘリウムリークディテクター内の分析管は高真空中で動作するため、精度よく小さなリークまで検出するには、真空チャンバー内を高真空まで排気する必要があります。ヘリウムリークディテクターに搭載された真空ポンプは小型の場合が多い為、所定の圧力まで排気するのに時間がかかります。リークテスト時間を短縮する為に、短時間で真空チャンバーを高真空まで排気できる高真空ポンプを別途、真空チャンバーに接続して排気することがあります。

 

 

[真空排気システムイメージ画像]

 

今回自動車部品のリークテスト向けに納入させていただいた排気ユニットは、グリス潤滑玉軸受形ターボ分子ポンプTG350Fを主ポンプとし、直結型油回転真空ポンプを補助ポンプとする排気ユニットです。ターボ分子ポンプの吸気口に短管を介して取り付けられた口径100 mmのアングルバルブで真空チャンバーと接続します。

 

ターボ分子ポンプと油回転真空ポンプは、車輪のついたカートに取り付けられています。また主ポンプ、補助ポンプともに空冷ポンプですので、排気ユニットはAC100V入力のみで運転可能です。カートに取り付けられたタッチパネル式コントローラで、真空計やスローリーク弁等の操作を含めたシステム全体の自動運転や各部位のマニュアル操作を行うことが出来ます。グリス潤滑玉軸受形ターボ分子ポンプTG350Fは外部からの振動に強く、カートを移動させながら定格運転を維持することが出来ます。シンプルかつ信頼性の高い排気ユニットで、自動車部品の製造を支えています。

 

 

[真空排気システム系統図]

 

産業分野によって必要とされる真空環境は様々です。お客様のニーズに合わせた最適な真空環境をつくるためには、様々な真空システム(排気ユニット・真空ポンプセット・真空装置)が必要となり、大阪真空はそれに応える幅広いラインアップの真空製品を提供しております。また、真空システムの設計、構成、製造において創業以来70年間に蓄積された技術力、経験と実績を有しており、高真空から低真空までの真空ポンプ、真空コンポーネントなどの単品販売だけでなく、それらを真空システムに組み込んだ状態で提案可能です。ぜひ当社までお問合せください。

 

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