事例紹介

真空排気システムを使ったリチウムイオン電池負極材用のCVD炉排気の紹介
Vacuum System Used in the CVD Furnace for Anode Material of Lithium-ion Battery

今回紹介しますのは、近年世界の自動車業界が最も注力している電気自動車(Electric Vehicle)に搭載されるリチウムイオン電池の製造工程で使用されているルーツ真空ポンプと油回転真空ポンプを組み合わせたPRM真空排気システムです。

 

[リチウムイオン電池のイメージ写真]

 

高いエネルギー密度を保ちながら、軽量、小型化が可能であるリチウムイオン電池は、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラなどのモバイル型の電子機器をはじめ、自動車分野、通信分野、産業分野、再生可能エネルギーなど幅広い分野で活用されており、現代の生活に欠かせないものとなっています。

 

リチウムイオン電池は、正極材にリチウム・コバルト酸化物、負極材にグラファイト(炭素)を使い、その間にイオンを通すセパレーター(絶縁材)を挟み、電解液に浸した構造です。充電時には正極のリチウムがイオンとなって負極に移り、グラファイト層の間に蓄えられます。機器を使用する放電時は負極から正極にリチウムイオンが戻ることによって電流が流れる仕組みです。

前述の主要4部材(正極材、負極材、セパレータ、電解液)の性状は、電池の高容量化、長寿命化、安全性に影響を及ぼします。この4部材の中でも負極材は電池のエネルギー密度に直接影響を与えるため、高容量化、高速充放電特性の向上を目的として、CVD法により負極材料へのヘテロ元素などの導入が行われています。

 

[真空排気システム外観図]

 

大阪真空は、このCVD炉の真空排気系として、耐圧防爆仕様のPRM真空排気システムを納入いたしました。CVD炉では、原料ガスや反応生成物の有毒性、可燃性、爆発性に対する安全対策や排気ガス処理などの対策が必要となります。また、タクトタイムが生産性向上に繋がる為、炉の容積や材質などをお客様よりご提示いただいた上で、当社にて排気時間シミュレーションを実施し、最適なポンプ機種の選定を行い、そして安全対策を備えてシステムを製作いたしました。この排気システムは、ルーツ真空ポンプ(R6002;6,000m3/h)と油回転真空ポンプ(P901;900m3/h)の組み合わせで当社でも大型の排気システムとなっています。

この組み合わせのポンプは大変堅牢でメンテナンス頻度が少ないこと、安定した真空性能が得られることを評価頂き初回納入後、継続して数十式を納入しお客様の生産性向上に一役買っております。

 

[真空排気システム系統図]

 

PRM真空排気システムの特徴

 

当社のPRM真空排気システムは、単段もしくは複数段のルーツ真空ポンプ油回転真空ポンプで構成されています。油回転真空ポンプは、大気圧まで圧縮できる機械式真空ポンプの中で、最も経済性・効率的・操作性に優れたポンプであり、幅広い用途に対応しているため、世界中でたくさん使用されています。当社のPシリーズ/Kシリーズ油回転真空ポンプは耐久性に優れ、効率的排気が可能な揺動ピストン型(キニ―タイプ)を採用しており、堅牢な設計で、更にメンテナンス作業のしやすい構造となっています。自動車、金属・鉄鋼、包装、食品・医薬品、化学、医療、電気・電子、半導体、先端研究分野まで、あらゆる真空ニーズで活躍しています。

ルーツ真空ポンプとは、まゆ形ロータを回転させることにより、圧縮・排気を行う真空ポンプです。油回転真空ポンプなどの前段に取り付け排気速度を増大させる機械式真空ポンプということからメカニカルブースターとも呼ばれます。ご仕様に合わせて適切なルーツ真空ポンプと油回転真空ポンプを組み合わせることで、10-2Pa台の高真空を省コストで得ることができます。

 

当社は長年の実績に裏付けされた真空システムの構築技術と、豊富な真空ポンプラインアップにより、装置やプラントの目的・初期設備費・運転費・メンテナンス費用など諸条件を考慮し、適切な「真空応用製品」を提供します。お客様の環境やプロセスに合わせて、一部材質の変更、オプション部品の追加・周辺機器との組合せが可能です。ご仕様に合わせた適切な選定により、製品の長寿命化、メンテナンスサイクルの延長、周辺設備・環境への影響低減など、様々な効果が得られます。

 

 
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