事例紹介

電力ケーブルの製造工程に不可欠な真空排気システムの紹介

 

1950年に創業した大阪真空は、重厚長大産業が日本の経済を支えていた時代に、電力ケーブルに使用されるOFケーブル(Oil-filled Cable)の乾燥工程用として揺動ピストン式油回転真空ポンプを開発し、主要な電線メーカに納入いたしました。それ以来、電線メーカや重電メーカには多くの真空応用製品を納入してまいりました。

 

[電力ケーブルのイメージ写真]

 

火力、水力、原子力発電所などで発電された電力は、変電所で送電に効率の良い電圧に変換し、架空送電線を経由して地中に布設された電力ケーブルにより需要地へ送られます。電力ケーブルに使われるOFケーブル及びPOFケーブル(Pipe Type Oil-filled Cable)の構造は、導体上に絶縁紙を巻いて乾燥し、絶縁油を含浸して絶縁層を形成し、絶縁遮蔽層として、絶縁体上に鉛またはアルミを被覆し、最後に防食層を加えて仕上げます。

 

この製造工程の中でも、特に長尺ケーブル製造の場合は乾燥含浸工程が重要な工程と言われています。絶縁紙が乾燥不十分で、水蒸気が絶縁体中に凝縮されることで、高電圧下でケーブルの寿命に影響を及ぼす恐れがあります。また、含浸工程で空気が残留するような場合には、ケーブルの電気特性が著しく低下することになります。

 

今回、紹介しますのは、電力ケーブル(OFケーブル)の真空乾燥工程に納入しました、吸気側ダストトラップ付き3段ルーツ真空ポンプと液封式真空ポンプを組合せたPRL真空排気システムです。

 

[真空排気システム外観図]

 

このPRL真空排気システムは、ルーツ真空ポンプ3台(R6002、RD1500、RD600)とアトモスタ付き液封式真空ポンプ(W310S)で構成されており、ケーブルの乾燥含浸工程部と被鉛装置部の両方を1台のシステムで排気できるように工夫されております。また、乾燥含浸工程ではポンプ内への異物吸引防止用として真空ポンプの排気速度を損なわないダストトラップを設け、真空ポンプの突然の停止防止を図っております。アトモスタ付き液封式真空ポンプと3台のルーツ真空ポンプにより到達圧力は1.3Paが可能となり、加えて高真空領域で大排気速度(約5,000m3/h)を省電力で得ることができます。また、用途に合わせた処理圧力で真空排気ができる排気ポートを設けおりますので、付属している制御盤で各ポートの圧力制御も可能です。お客様の処理に必要な真空度を容易に実現できる設計をしております。

 

この当社のPRL真空排気システムは、安定した真空性能、用途に合わせた圧力での運転が可能なこと容易なメンテナンスを実現したことで、高い評価を頂きその後も同様の用途のお客様へ多数排気システムを納入しております。

 

[真空排気システム系統図]

 

当社は創業以来、国内の電機メーカへ真空乾燥含浸工程用に多くの真空排気システムを納入しております。真空システムの設計、構成、製造などにおいて70年の経験と実績を有しており、お客様のご仕様に合わせて、柔軟な対応させていただき、最適な真空排気システムを提案いたします。また、真空環境作り、真空製品・真空装置選定についてのご相談も承りますので、ぜひ当社までにお問合せください。

 

 

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